水メジャー 日本上陸 フランス スエズ 前田建設と提携 水道民営化[日本の未来を考える]
□ 今日の一言
世界の水メジャー、ヴェオリアが、浜松市の上下水道の改革について、話し会いに入ったとき、私は、大きな期待をブログに書きました。それが、今年4月から始まっていたのです。私は、嬉しかったです。また、その第2弾が、始まりそうです。国内で、二グループが競い会い、切磋琢磨していけば、さらに良い事例を遺せるでしょう。これは日本全国にある大きな課題です。明るい未来が見えてくることを、切に願っています。
日曜ブログ「日本の未来を考える」
2018年11月25日(日)
□水メジャー 日本上陸 フランス スエズ 前田建設と提携 水道民営化
☆前書き
このブログには、「コンセッション(注1)」という言葉が出てきます。これは、空港や道路、上下水道などの公営施設の運営権を民間に売却し、運営をまかせる仕組みです。ここでは、水道事業を中心にブログを書きます。2018年11月10日の日本経済新聞を参照します。記事は、以下のように書き出しています。
☆引用
「水道事業など、水ビジネスを世界展開する『水メジャー』が、日本市場に、照準を合わせている。仏スエズは、前田建設工業と業務提携の検討に入ったほか、仏ヴェオリアは、浜松市の上下水道の運営を始めた。検針業務などの遠隔管理を武器に運営コストを引き下げる。政府は水道の運営権を民間に売却する『コンセッション』の導入で効率化を進めたい考え。民間活力を生かしインフラの老朽化という課題解決に取り組む。」
☆解説
水ビジネス世界第2位のフランスのスエズが、日本に上陸したいと計画しています。スエズは2017年の売上高が2兆円を越えており、カンヌなど欧米を中心に実績を持っています。このスエズは、日本のゼネコン準大手の前田建設と、2018年11月7日、日本の上下水道運営での、業務提携に向けた覚書を締結しました。スエズは、今回の提携を機に、日本に進出してくれるだろうと、私は、期待しています。
一方、パートナーの前田建設も、コンセッション事業を強化しています。2016年に、東急グループなどと組み、仙台空港の運営を受託しました。森トラストなどとは、愛知県の有料道路8路線の運営をになっています。前田建設は、水メジャーのノウハウを得て、コンセッション事業の範囲の拡大を急ぐでしょう。
一方、水ビジネス世界最大手のヴェオリアは、2018年4月から、オリックスやJFEエンジニアリングなどと共同事業体を組み、浜松市の下水道の運営を始めています。同市の5割の下水を処理する「西遠浄化センター」やポンプ場など、下水施設の一部を運営しています。JVは25億円を運営権の対価として市に支払いました。契約期間は20年です。維持管理の効率化などで、市が運営するよりも、4%の費用が削減できる見通しです。20年の累計では、86億円に達する見込みです。このプロジェクトは、運営を工夫してコストを下げるほど、企業は儲かる仕組みです。
☆まとめ
日本の水道設備は、高度成長時代に整備されだものが中心です。それが、今、更新期を迎えています。一方、自治体は人口減少で苦しんでいます。改修工事に投入できる予算は減るばかりです。水道料の収入も減るばかりです。それなのに、メンテナンス費用は、どんどん増えるのです。人口減少とは、そんなに重い逆風なのです。
そんな状況ですから、浜松の事例がどうなるのか、各地は注目していると思います。そこに、第2弾が出そうです。日本国内に、競争相手が出てくれば、切磋琢磨して良い結果が出てくるでしょう。
また、今回のグループには、事業の請け負いに手慣れたゼネコンが加わっています。しかも前田建設工業は、ゼネコンの中でも常に新しい事業領域を開拓してきた企業です。私は、大いに期待しています。
さらに、この事業モデルが理想的なのです。今までにない事業領域を切り開き新産業を創出する場合、産業創出に成功するほど、それを推進する企業の収益が上がるモデルです。これが自律的に産業創出と拡大をさせるための最良のモデルなのです。
(参考資料1、2018.11.10、日経を参照して記述。「 」内は引用)
(注1) コンセッション(Concession)方式:ある特定の地理的範囲や事業範囲において、事
業者が免許や契約によって独占的な営業権を与えられたうえで行われる事業の方式。
ここでは空港、道路、上下水道などの公営施設の運営権を、民間に売却し運営を任せ
る仕組み。
参考資料
(1)日本経済新聞、2018年11月10日。
月刊 椎野潤ブログ集 2018年2月号が、出版になりました。
タイトルは「シェアビジネスの広がり―所有からの解放が向かう先」です。
本書の中では、「車、自転車、オフィス、そして洋服・アクセサリーにまでシェアリングエコノミーが広がる事例が紹介されています。それは、所有より求める機能のみを享受したいという市場の広がりでもあります。所有するさまざまな負担から解放されるとき、人々のエネルギーはどこに向かうのでしょうか。」そのことを2月号のタイトルにしました。
このタイトルは、「GR現代林業」の白石善也さんに付けていただきました。また、この解説は、白石さんから、お話しをうかがって書いたものです。
月刊ブログ集の今月号のアマゾンサイトのアドレスは以下の通りです。
https://www.amazon.co.jp/dp/4865582061/
最近のブログは、過去ブログを多く引用しています。本書を座右において、参照いただくと便利だと思います。月間ブログ集が、2017年9月号〜2018年2月号と6冊揃いました。それで私のブログを書く作業は、凄く楽になりました。
直近6ヶ月にブログを書いたものは引用して、重複した記述は避け、その日のブログを、一層、深く掘り下げて書くようにしています。また、検索は、とても楽です。特に、過去ブログを探す時、凄く楽です。
2018/11/25 0:07:54 |