新着記事

  • 人生

    いかに生くべきか

    いきなり暗い話で恐縮だが、統合失調症と診断された頃は、いまにも死にそうだった。どのように死ぬかが問題であった。今は、どのように生きてゆくかが、大問題になった。あまりにも漠然としているので、具体的に考えてみた。学習塾を大きくするという案。どう考えても、大手予備校に正社員で働いても、個人的な性格上、怠けようとするだろう。割に合わないからだ。しかし、自分が運営に関与するような環境であれば、積極的に動いて...

    2023年6月2日

    中西 哲也

  • 日本的なるもの

    自然と出会う

    太宰治の「津軽」を読んだ。太宰の帰郷は、10年ぶりくらいだったそうだ。実は、読み始めたときは、いっこうにおもしろくなく、あまり気乗りしなかった。津軽の文句なのではないが、地域のことを詳しく知ろうとしているわけではないからだ。しかし、たしか太宰自身が最初あたりで書いていたように記憶しているが、彼は「愛」について探究しようとしていた。その言葉を信じて最後まで読んでみた。太宰が故郷について書こうとしたの...

    2023年5月28日

    中西 哲也

  • 太宰治

    妻から見た夫

    太宰治の再婚相手が、太宰について回想した著書を読み終えた。身近にいた人間が、「作家」太宰の「実生活」を詳細に語っている点で、非常に貴重であった。妻だけというより、他の人も妻に同感するかもしれないが、偉大な作家の実生活に関する評価は、かんばしくはない。具体的に言えば、「主観のかたまりのような人」で、「矛盾だらけ」であったそうだ。妻の証言によれば、現実に起こった出来事は、太宰の物語とは違っていたそうだ...

    2023年5月16日

    中西 哲也

  • 太宰治

    傑作

    太宰は、自分が生きる意味とは、後期に「傑作」を残すことにあるのだと考えていたふしがある。『晩年』を上梓する前、おそらくは死ぬ気で書いていたのだろう。しかし、彼が語っていたように、どうしてもこの処女創作集では死にきれなくなったようだ。残されている彼の手紙では、「早く死にてえ」というような表現が見られるが、早く傑作を書きたいという叫びであるように聞こえる。それゆえ、「小説」=「遺書」のように映るのは、...

    2023年4月17日

    中西 哲也

  • 私と評論

    わかりやすさと自画像

    お前の文章はわかりにくいとは、よく言われてきた。そのとき、それではお前の文章はそんなにいいものなのかと聞けば、その場では気分が晴れた気にはなるだろう。人間とはその場で勝てばそれでよいとするものだと、太宰治が『人間失格』で指摘している。そうではなく、「傑作」を残して死ぬのだ、そのように決めた者の覚悟は、やはり何か違うと感じた。それが、生活面では不能者と言えるかのような人物であっても、だ。ところで、学...

    2023年4月15日

    中西 哲也

  • 太宰治

    生のなかに死をおさめる

    今更ながらではあるが、処女作を書いていて、一番ひっかかっていたのが、タイトルにある言葉だった。ビクトール・フランクルの言葉では、死を自分のものとするというような感じだったと思う。戦中から戦後を生き切ったものたちであるからこそ、説得力をもつことができたような言葉である。若輩者が吐いたところで、やはり話題にもならなかったが、医学的には幻聴・幻覚といえるような症状がおさまることがないため、「死」への衝動...

    2023年4月12日

    中西 哲也

  • 太宰治

    「真実」を求めて

    最近、東郷克美『太宰治という物語』を読んだ。私の現在の狙いは、かっこよく言えば、日常生活を営みながら、新たな「文体」を模索してゆくことだ。そのような意識をもって、同書を読んだ。改めて自分の処女作を見直すと、研究生活の影響があったためか、まだ文章がかたいようだ。まだまだ理屈っぽいようで、読者からは「読みにくい」という感想しか頂戴していない。東郷によれば、太宰は「転向」後、「話体」の表現に明確に移行し...

    2023年4月6日

    中西 哲也

  • 太宰治

    小林秀雄と太宰治

    発狂したと診断されて、太宰のように強制入院を経験して、7年経ってようやく処女作にこぎつけた。「死」をおのれのものとするというか、「死」をおのれの「内」におさめるとでもいうか。処女作では、生きて作品を残すために、戦後日本を生きた小林秀雄の議論を読み込むところから始めた。出版後、太宰の中期的な「小市民」的生活を送っているが、どうしても前述した「課題」を達成することができそうにもなくなってきた。幻聴・幻...

    2023年4月4日

    中西 哲也

  • 人生

    どこが違うのよ

    自分を客観化するには、どうするべきか?大学院で他の人と対話して、別の視点があることを知る。多角的に考える。知識をつけるだけでなく、「思考の枠組み」を鍛えた。だから、抑止論という専門分野に取り組んだ経験は、日常生活で「モンスター・ペアレンツ」とたたかうときにも、存分に発揮されている。しかし、学問を生活経験に生かすというのは、やはり小林秀雄が言うように、本筋ではないようだ。教育において、保護者対応や生...

    2023年4月3日

    中西 哲也

  • ふりかえる

    予測しなさいよ

    学習塾を手伝っていたとき、保護者さんと雑談していたら、ある方から、今の状況を予測できなかったの、と聞かれたことがある。物書きをしていることが最優先だったので、健全なる生活を送ることができていなかったのだ。私は、今でも信じて日々を過ごしているので、後悔はしていない。ただ、おもしろいのは、予測しすぎるのもよくないということだ。高校野球は、最終学年まで続けることはできなかったが、もしかしたら先を見すぎて...

    2023年4月3日

    中西 哲也

  • 統合失調症

    生まれてすみません

    悪いことに、精神病的症状というのは、いったん発症すると、「完治」するということはないようだ。これは、精神病院につとめるお偉い先生方が患者を観察して、冷静に他者分析したという類のものではない。最初からおかしかったんだとしか言いようがない。悲しくなる。学習塾で入会希望の問い合わせが、時期的な影響があって、微増している。普通は喜ぶんだろうが、うれしくない。病気の先生が指導しているのが申し訳ないというのも...

    2023年3月31日

    中西 哲也

  • 教育

    科学的とは何か

    昔、仕事関連でお世話になった保護者さんが、顔を合せても、よそよそしい。ブログの内容を見ていただいたのだろうから、仕方ないとは思う。「頑張って生活しているんだよ」という人にとっては、聞き苦しい話なんだろう。売れなかろうが、結婚するよりも表現したいと考えている者は、常識ある社会人からすれば、「変人」なのだろう。しかし、こらえてきたものが、「爆発」しているだけなのだ。よくここまで我慢してきたと、自分で自...

    2023年3月29日

    中西 哲也

  • 人生

    計算

    サッカーや野球で、選抜メンバーを選ぶとき、監督は、どういう基準で行っているのだろうか。よく日本代表レベルだと、日本国中で話題となるため、賛否両論が聞かれることがある。監督は会見で、あの選手を選ばなかった理由は何かと、尋ねられている。たとえ実力があったとしても、ポジションが重なっているときや、コンディション、それから戦術理解の問題から、選考漏れする選手があらわれるのだ。高校のとき野球をしていたが、ど...

    2023年3月18日

    中西 哲也

  • ふりかえる

    共通理解の醸成

    今日、昔の研究会の話が、頭から離れなかった。研究会で話を振られて、つい話しすぎたことだ。公開論文ゼロの私が、研究者に質問するのは、失礼だろうと、マジメに考えていた頃の話だ。国際政治の左派と右派は、共通理解に達することが可能かどうかについて、マジメに考えていた頃の話だ。そんなことは、今どうでもよくなって、お偉いさん方にお任せしようと思っている。核ミサイルを持たない日本が、非友好国に囲まれた状況におい...

    2023年3月16日

    中西 哲也

  • ふりかえる

    お金と縁

    お金は好きだが、専門的に突き詰めて考えるほどのものではないと考えていた。そろばんを教える手伝いをしているのに、たいへんまずい話なのだが、お買い物ではほとんどお釣りなど、計算していない。値引きの計算も、面倒くさくてしていない。その結果、屋台などで、お金の計算を間違えて、損をしたことがある。自分のことになると、あまり思い出したくも、言いたくもないほどだ。しかし、他人のお金にまつわるエピソードを聞くのは...

    2023年3月13日

    中西 哲也

  • 絶望

    信頼

    有名な作家というのは、読者からの「信頼」を得たといえるのだろう。ただ、私の好きな作家や画家が、社会的な信頼を得ていたとはいえないことも知っている。別に、すすんで悪い人間になろうとは、もちろん思っているわけではない。しかし、真面目にやっていることが、馬鹿馬鹿しくなるのは、なぜなんだろうか。社会との不調和?昔人に言われて、私自身もそらそうやなと思ったのが、「ちゃんと働きよ」ということだった。たしかに、...

    2023年3月12日

    中西 哲也

  • 人生

    自己反省がない

    頭のいい人たちは、なかなか謝らない。文科省の『学習指導要領』は、新しくなったとはいうものの、その理由を「時代」に押し付けることはできないだろう。批評家の小林秀雄からすれば、戦後という時代は、西洋近代の合理主義がいきすぎた時代であった。その時から、情操教育を唱えて、主体的に考える、そして「創造」することの意義を唱えていた。小林が指摘していたように、外部の観察ではなく、もっと内面を見つめるべきだったの...

    2023年3月11日

    中西 哲也

  • 文体

    祖母のこと

    このたび、祖母が施設に入所することになった。入所できるだけでも、このご時世では、たいへんのことのようだ。要介護のレベルとか、コロナの件など、もしかすると関係しているのかもしれない。私は、日々介護していたわけではないのだが、話を聞くだけでも、疲れてくる。もう私の顔や名前も、祖母は忘れてしまっていた。思い出すのは、もう一人の祖母が、脳関連で車いす生活を続けていた姿だ。だいぶ前に亡くなったのだが、施設に...

    2023年3月6日

    中西 哲也

  • 文体

    生活と芸術

    今日、電車に乗っていると、精神病院でお世話になった職員さんを見かけた。「お世話になった」とは表面上は言うものの、強制的に入れられて、病院から脱走しようとしていた私からすれば、当時は「敵」にしか見えなかった。声をかけることはしなかったが、あれから8年も経つのに、まだ勤務されているのだなと思った。このように、今は良いように言えば、一種の「超越的」な感じになりつつある。ただ、それは、単に時が経って、過去...

    2023年3月4日

    中西 哲也

  • 教育

    そろばんの意義

    そろばんを教えていて、何の意味があるのだろうと、よく考える。子どもの頃にやっていて、大学院生のときに、少し手伝っていた。そのときは、丸付けくらいのものだった。そのため、やはり生徒が親に、教室に「おっさんがおる」みたいなことを言っていたようだ。そのときよりも手伝うようになったきっかけは、「リハビリ」であった。母に言われて嫌な言葉は、最近は「正常」に戻りつつあるようね、という言葉だ。精神科医みたいな表...

    2023年2月22日

    中西 哲也

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