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親鸞 五木寛之『私の親鸞―孤独に寄りそうひと』
親鸞との出会い 今回は、五木寛之『私の親鸞―孤独に寄りそうひと』(新潮社、2021年)を取り上げます。なぜ五木は親鸞の教えに心惹かれたのでしょうか。もしかすると、戦争体験がなければ、五木の親鸞との出会いは、それほど私たちに感銘を与えるものではなかったかもしれません。 五木は、大日本帝国が敗北して平壌から日本へ引き揚げようとしましたが、その過程で母を亡くしています。もちろん、平壌になだれ込んできたソ...
2022年4月10日
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親鸞 五木寛之『はじめての親鸞』
五木寛之の親鸞像 今回からは、親鸞について考えていきます。以前に五木寛之の考えを考察しましたが、その中核にある親鸞の思想を取り上げます。初回は、五木寛之『はじめての親鸞』(新潮社、2016年)です。 五木は、次のような親鸞像を紹介しています。「親鸞は人間が好きだった。人に対して深い愛情を抱いていた。にもかかわらず、人になじむことができない」(151頁)。より具体的に言えば、「論理的に詰めていく冷徹...
2022年3月27日