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パラドックス 直感と論理(5)
直感に基づいて計算する方法 今回は、『学ぶということ』の中から、美馬達哉「リスクで物事を考える」を取り上げます。今回も前回と同じく、“直感に基づいて計算する”という観点から、美馬の論考を批判的に検討します。 『学ぶということ』の中から、内田樹と池上彰の論考についてはすでに触れましたが、直感と論理(計算)の関係についての考察が不十分だという問題点を指摘しました。池上に関して言...
2019年9月30日
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パラドックス 直感と論理(4)
『学ぶということ』の構図 今回は、池上彰「学び続ける原動力」を取り上げます(桐光学園+ちくまプリマー新書編集部・編『続・中学生からの大学講義1 学ぶということ』筑摩書房、2018年)。まず、前回までの議論を整理しておきましょう。 内省 → 教養 → 課題探求能力(論理) → 創造性 → 自己変容 前回は、〈直感と論理〉という視角の説明を行いながら、「自分に問...
2019年9月26日
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パラドックス 直感と論理(3)
「問う力」とは何か 前回は、野依良治の議論の核心を批判的に検討しました。結局筆者が言いたかったことは、野依は日本の教育の問題点として「問う力」の欠如を指摘していますが、根本的に「自分に問いかける力」を見直すべきではないかということです。 今回は、この「自分に問いかける力」について、〈直感と論理〉という視角を説明しながら、考えていきます。 さて、野依は、「文化」の要素として、「言語」と「科学」以外に...
2019年9月21日
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パラドックス 直感と論理(2)
“パラドックス”について 前回は、野依良治の記事を中心に、日本の教育問題について考えました。今回は、野依の議論の核心を批判的に検討していきます。 前回確認したように、野依の議論の核心は、個人が直感と論理を強化することが、社会全体の利益を増進させるというものでした。この核心に従って、学校が自らの評価基準で、入学者を選抜するべきだという提言を行っていました。 この核心は、論理的...
2019年9月15日
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パラドックス 直感と論理(1)
野依良治が本気で怒っている理由 今回のシリーズでは、「問い」を発することについて、〈直感と論理〉という視角から、考えてみたいと思います。 前編では、「承認」をめぐるディレンマについて取り上げました。筆者自身の闘病体験から言えば、自分で自分の存在を承認するべきなのですが、自分の精神状態を疑わなければならないというディレンマがあります。 筆者が記事を書くにあたっては、この内面のディレンマから「問い」を...
2019年9月9日