関連記事
-
パラドックス 直感と論理(15)
「内省」では「価値判断」を下さないのか 今回は、「内」から「外」という論理の貫徹における、「内省」と「価値判断」の意義を確認することによって、次回の最終回の課題を明らかにします。 前回は、東京大学の「後期教養教育」を批判的に検討しました。批判の要点は、東大が「感情」に基づいて体系的な「知」にまで高めることを目指しているにもかかわらず、「価値判断」から逃避しているということです。すなわち、最善で最適...
2019年11月30日
-
パラドックス 直感と論理(14)
東大式「後期教養教育」の論理 今回は、前回の検討を踏まえて、東大式「後期教養教育」を批判的に検討します。はじめに、再度「後期教養教育」の論理を整理します。『大人になるためのリベラルアーツ』の論理は、次のように整理することができます。 専門化 → 相対化 → 自己の変容 → 社会との健全な関係 前回指摘した通り、「後期教養教育」では「相対化」という方法が用いられますが、...
2019年11月24日
-
パラドックス 直感と論理(13)
東大式「後期教養教育」とは何か 〈直感と論理3〉で説明したように、石井洋二郎・藤垣裕子『大人になるためのリベラルアーツ』(東京大学出版会、2016年)では、“感情に基づいて教養にまで高める”という論理が強調されていました。今回は、同書で提唱されている、東京大学の「後期教養教育」について検討します。 すでに〈「内省」の力と大学教育の意義〉編で検討したように、情緒(内)と知識(...
2019年11月20日
-
パラドックス 直感と論理(12)
「合理的」と「理性的」 今回は、前回の議論を整理した上で、「価値判断」の意義を指摘します。 「合理的」とは、コスト(費用)とベネフィット(便益)を比較考量して、最適な手段を選択できることです。筆者は、パイロットになるという目標を定めた後に、具体的な手段として航空大学校や自社養成の道を考えました。そして、物理や数学の問題を効率的に解く方法についても考えました。 ただ、“直感に基づいて計算...
2019年11月15日
-
パラドックス 直感と論理(11)
パイロット志望だった頃 今回は、筆者自身の仕事の選択にまつわる経験をお話しします。その理由は、自分の歴史を振り返ることが、“直感に基づいて計算する”という論理を推し進めてくれるからです。 ジョブズに関しては、スタンフォード大学での演説や彼の発言に関する考察を通じて、彼の創造性の源泉を突き止めるように努めてきました。その考察から明らかになったことは、「直感」をきちんと「内省」...
2019年11月9日