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小林秀雄 人生観(11)
どう生きるべきか 前回は、「実在」と出会って運命感を得ることによって、生きてゆく自覚が生まれることを確認しました。今回は、この自覚が生まれてはじめて、表現することが可能になるということを指摘します。 まず、小林秀雄は、次のように述べています。「例えば文学上の自然主義とか絵画上の印象主義とかが輸入されるに際し、〔中略〕この芸術家の根本の態度、文学者も画家も、各自の仕事の裡に、人生とは何かという問題を...
2021年11月21日
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小林秀雄 人生観(10)
「悲劇について」 それでは、「実在」とは何で、どうすれば生きる覚悟を持つことができるのでしょうか。引用が長くなりますが、小林秀雄の論理を追ってゆきましょう。 まず、小林は「悲劇について」において、ドイツの哲学者・ニーチェの議論を踏まえて、「嫌悪すべきものを悉く無条件で肯定する」という「悲劇精神」を摑むには、「勇気を要する」と強調しています。「必然的なもの」を進んで愛するという「思想には、合理的な説...
2021年11月8日