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教育 自己肯定と自己否定
ここに辿り着くまでに、紆余曲折があった。そろばんを教えるのを手伝うといっても、大学院生だった時に、手伝っても嫌になって、やめて、また戻るの繰り返しだった。また、教える仕事とはいっても、姉や弟のように、学部生だった時に教えた経験があるわけでもない。柄ではないと思っていたからだ。それは、私の過去を知る学校の先生が、今の私を見ても、ほんまかいなという気持ちになるだろう。同級生たちは、私が真面目だと勘違い...
2022年11月29日
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教育 学ぶということ
兄弟・姉妹でも、性格や能力は異なるものだ。親は、日ごろから子どもとどのように接しているのだろうか。私には、子どもがいないし、結婚もしていない。ある保護者から、子どもは宝なんですよ、と言われたことがあった。そのあたりにいる親は、子どもを自分と同一化して、愛している。自然な感情なのだろう。しかし、冷静に、客観的に、親は自分の子どもを見るべきなのではないかと思うことがよくある。というのも、明らかに学習の...
2022年11月28日
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私と評論 対象に入り込む
評論に本格的に取り組む前に、博士論文や投稿論文をボツにされた。その時は、失格者の烙印を押されたような気がしていたが、小林秀雄や太宰治を読むことで、前に進むことができた。客観的に見た時、私の言葉は、「負け犬の遠吠え」のように聞こえるかもしれないが、私は、これで本当によかったと思っている。将来、太宰について本をまとめたいと考えているが、彼は「脳病院」の体験を通じて、主観と客観の問題について深く問うこと...
2022年11月27日
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私と評論 苦悩
太宰論においてほとんど共通認識となっているのは、太宰作品が、自他の認識の相違に焦点を当てているということだ。彼の作品や登場人物に多くの人が感情移入できるのは、「道化」という言葉に象徴されるように、仮面をかぶって日常生活を送っている側面が、誰にでもあるからなのだろう。しかし、太宰治の本当の魅力は、私からすれば、学者や評論家批判にある。『人間失格』と並行して書かれた随筆には、フィクションではなく、作家...
2022年11月26日
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私と評論 前田英樹『批評の魂』
今回は、前田英樹『批評の魂』(新潮社、2018年)を取り上げます。前田が取り上げている批評家は、主に小林秀雄ですが、河上徹太郎も出てきます。そして、同書の軸は、小林が、自然主義文学者の正宗白鳥との論争から、その白鳥の思想に理解を示すに至る過程です。前田は、丹念に小林の著作の核心を説明してくれているため、非常に読んでいて楽しかったです。以前に前田の本を取り上げたのですが、しっかりと小林の著作を読み込...
2022年11月13日