文筆家/なかにし教室・講師
中西 哲也

プロフィールを全て表示

ECC国際外語専門学校・非常勤講師/四谷学院・非常勤講師/龍谷大学法学部・非常勤講師(~2018年)/関西学院大学・法学研究科・博士後期課程単位取得退学

中西 哲也の新着記事

  • 五木寛之

    「他力」(3)

    親鸞の「無差別救済」 前回は、五木寛之の見解を批判的に検討して、次のように問いかけました。それは、人事を尽くすことを「天命」にゆだねるのであれば、悪を自覚することもまた「他力」にゆだねてしまうのかという問いかけです。 今回は、この問いかけの意味を説明するべく、オウム真理教に関する...

    2020年9月20日

  • 五木寛之

    「他力」(2)

    法然の教え 前回は、『人生の目的』の批判的検討に基づいて、五木寛之の思想の根幹に位置する「他力」について検討しました。簡潔に言えば、筆者(中西)の問題意識は、悪を自覚して神仏と向き合うことにも、「意志」(自力)が必要なのではないかということでした。 仏と向き合って悪を自覚する人が...

    2020年9月14日

  • 五木寛之

    「他力」(1)

    『人生の目的』の論理 今回から、五木寛之『他力』の検討に入ります。初回は、『人生の目的』の批判的検討を行って、筆者の問題関心を明確にしてから、「他力」とは何かについての説明を行います。 前回明らかにしたように、五木は『人生の目的』において、「他力」の核心を説明していました。簡潔に...

    2020年9月7日

  • 五木寛之

    人生の目的(5)

    「他力」思想 今回は、〈人生の目的〉シリーズの最終回です。最後に、「信仰」について考えてみましょう。五木寛之の考えの根幹には、「他力」思想があります。結論から言えば、おのれの悪と向き合い、神仏を信ずることが重要だということになります。 まず、五木は、次の点を強調します。「悪は私た...

    2020年8月31日

  • 五木寛之

    人生の目的(4)

    格差社会とその原因 前回の「肉親」に引き続いて、今回は、「金銭」に関する五木の考えを検討します。結論から言えば、お金は目的ではなく目標にすぎないが、それを軽く見ることはできない、ということです。重要な点は、五木が、「今の自分」と「昔の自分」という2つの立場を踏まえて、この結論を導...

    2020年8月24日

  • 五木寛之

    人生の目的(3)

    肉親をめぐる両面性 前回は、〈宿命と運命〉を受け入れることで生きつづけること自体の価値を肯定するという、五木寛之の論理を確認しました。なお、五木は、親鸞の〈業縁〉という言葉を、〈宿命と運命〉という言葉に読みかえていました。 さて、前回の記事を踏まえて、今回の記事では、「肉親」に関...

    2020年8月17日

  • 五木寛之

    人生の目的(2)

    愛を自分の内に感ずる 今回は、「人生の目的」に関する五木寛之の考えと、その考えを支える論理について検討します。筆者(中西)の問題関心は、「創造性」よりも生きつづけること自体に価値を認める考えを、どのように肯定するのかという点にあります。 まず、五木は、次のように述べます。「人は運...

    2020年8月12日

  • 五木寛之

    人生の目的(1)

    五木の議論の出発点 今回から、五木寛之の人生論を検討していきたいと思います。具体的には、『人生の目的』『他力』『大河の一滴』を取り上げていきます。 まず、今回は、『人生の目的』の初回として、次の点を検討します。それは、そもそも「人生の目的」について考える理由とは何なのか、という点...

    2020年8月7日

  • 祖父のこと

    信ずることと戦うこと

    祖父と沖縄戦 今回は、前回説明した問いを立てた動機について、より詳しく説明します。「創造性」とは異なる“生き方”について考えるきっかけとなったのは、祖父(母方)の“逝き方”について調べたことです。 祖父は筆者が生まれる前に亡くなった...

    2020年7月31日

  • 無料公開記事

    人生の目的(無料公開記事)

    ゴッホの告白 今回から、新たな問いを立てて、探究を続けていきます。その問いとは、“人生の目的とは何か”です。 これまで、「創造性」の論理とは、「自分の内」から出発するというもので、それは“直観による内省”によって可能になることを論じ...

    2020年7月30日

  • 学び

    「直観」について(8)

    小林秀雄のゴッホ論 このシリーズでは、今井むつみ『学びとは何か』を検討してきました。今回は、シリーズの最終回になります。今回は、“主観的に世界を視る”ことによって「生きた知識」を身につけるという今井の構図を、批判的に検討します。 批判的に検討する際に参考と...

    2020年7月20日

  • 学び

    「直観」について(7)

    「天才」とは何か 前回は、「意志の強さ」が「創造」を生む基礎となりうる点を確認しました。今回は、主に終章を検討対象として、「天才」とは何かについて確認した後に、超一流の熟達者になるための方法について考えます。 まず、今井によれば、「天才」とは、次のような人のことを言います。簡潔に...

    2020年7月13日

  • 学び

    「直観」について(6)

    「創造性」とは何か 前回は、「直観」と親和的な「批判的思考」があることを確認しました。今回は、この今井の分析を踏まえて、第7章を検討し、「創造性」や「天才」とは何かについて考えます。筆者の仮説に基づいて課題を設定するならば、「直観」と「批判的思考」を両立させる土台になるものは何か...

    2020年7月7日

  • 学び

    「直観」について(5)

    知識ドネルケバブ・モデル 今回も、前回に引き続いて、今井の構図において、「直観」と「内省」が重要な役割を果たすことについて説明します。結論から言えば、「直観」と「内省」の関係に関する今井の指摘は、“直観による内省”という筆者の仮説に対して、重要な示唆を与え...

    2020年6月29日

  • 学び

    「直観」について(4)

    自動処理と制御処理 前回は、“主観的に世界を視る”ことによって「生きた知識」を生むという、今井の構図を検討しました。今井の構図に従えば、知識のシステムをつくり上げる上で、「内省」と「直観」が重要な役割を果たします。“直観による内省”...

    2020年6月24日

  • 学び

    「直観」について(3)

    知識のシステムを創る 前回は、“主観的に世界を視る”という今井むつみの論理を検討しました。今回は、第2・3・4章を検討して、次の点を確認します。すなわち、「生きた知識」をつくり上げる上で、「内省」と「直観」が重要な役割を果たす、という点です。 まず、「生き...

    2020年6月20日

  • 学び

    「直観」について(2)

    「生きた知識」にするということ 前回は、今井むつみの書籍のエッセンスを確認しました。それは、簡潔に言えば、子どもによる母語の習得過程を検討対象として、「知識=事実の断片」として捉えるのではなく、「生きた知識」――知識が体の一部となること――を目指すというものでした。 今後同書を検...

    2020年6月13日

  • 学び

    「直観」について(1)

    意味を推測して、自ら学ぶ 今回のシリーズでは、今井むつみ『学びとは何か――〈探求人〉になるために』(岩波書店、2016年)を取り上げます。シリーズの初回は、筆者の問題関心に基づいて、「はじめに」と「おわりに」を検討します。 まず、筆者の問題関心とは、端的に言えば、次のようになりま...

    2020年6月6日

  • 知性

    「クリエイティブ思考」とは何か(16)

    「今」が「自分の内」にあるということ 前回は、筆者の経験を参考にしながら、“直観による内省”を明確にしました。実は、この筆者の考えは、小林秀雄の議論だけでなく、福田恆存の議論もモチーフとしています。シリーズ最終回の今回は、前回の内容を踏まえた上で、福田の議...

    2020年5月28日

  • 知性

    「クリエイティブ思考」とは何か(15)

    妄想の内容と仕組み 今回は、前回言及した小林秀雄の議論をモチーフにして、“直観による内省”の意義をさらに明確にします。その際に、筆者自身の経験を題材とします。 筆者の経験とは、「統合失調症」の罹患なのですが、次のような幻聴と幻覚が生じていました。それは、簡...

    2020年5月24日