文筆家
なかにし教室・講師中西 哲也

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四谷学院・非常勤講師/ECC国際外語専門学校・非常勤講師(~2021年)/龍谷大学法学部・非常勤講師(~2018年)/関西学院大学・法学研究科・博士後期課程単位取得退学

中西 哲也の新着記事

  • ふりかえる

    内なる他者

    昔、精神科医・斎藤環の本の中で、「内なる他者」と出会うという言葉を知った。たしか、「ひきこもり」問題について述べられていた箇所で、その原因の説明に焦点が置かれていたように記憶している。私の関心に沿って、斜め読みさせてもらったのだが、誤解を恐れずに言えば、斎藤環は、「ひきこもり」の...

    2023年1月30日

  • 人生

    しょーもね

    軽いタイトルになってしまったが、文章を書いているときに、何かに取り憑かれているようになっていると、他のことなど全く眼中になくなる。そのため、昔はほとんどそれ以外のことは意識していなかったのだが、日常生活を送ることに注力せねばならなくなって、別にしたくもないことをしていると、タイト...

    2023年1月24日

  • 教育

    めぐりめぐる

    くだらない話なので、1回でまとめたいと思う。因果応報とはよく言ったものだが、生徒に教えていると、過去の自分の体験と似た構造が頭に浮かんでくる。アナロジーとでも言うのだろうか。テナントを借りる前に、自宅で教えていた時、2台分の駐車場を借りていたが(父の車を入れると3台分)、それでも...

    2023年1月21日

  • ふりかえる

    占いと学問

    何度も繰り返して申し訳なく思うが、研究が行き詰まったのが、評論の始まりになった。それは、今から振り返ると、自分という人間とは何者かを知る、大きな転機であったのだが、当時は、お先真っ暗という感じであった。うすうすと学者のやっていることや人となりに、うさんくささを感じつつも、学びなが...

    2023年1月12日

  • ふりかえる

    思いがけず

    人生においては、思いがけないことが起こりえます。今回は、そのことについて話しますが、微妙な問題です。話したいんだけれども、知られてほしいとは思わないというような感じです。スティーブ・ジョブズが述べているように、今自分がしていることが将来につながることを信じるべきなのですが、彼自身...

    2022年12月18日

  • 教育

    自己肯定と自己否定

    ここに辿り着くまでに、紆余曲折があった。そろばんを教えるのを手伝うといっても、大学院生だった時に、手伝っても嫌になって、やめて、また戻るの繰り返しだった。また、教える仕事とはいっても、姉や弟のように、学部生だった時に教えた経験があるわけでもない。柄ではないと思っていたからだ。それ...

    2022年11月29日

  • 教育

    学ぶということ

    兄弟・姉妹でも、性格や能力は異なるものだ。親は、日ごろから子どもとどのように接しているのだろうか。私には、子どもがいないし、結婚もしていない。ある保護者から、子どもは宝なんですよ、と言われたことがあった。そのあたりにいる親は、子どもを自分と同一化して、愛している。自然な感情なのだ...

    2022年11月28日

  • 私と評論

    対象に入り込む

    評論に本格的に取り組む前に、博士論文や投稿論文をボツにされた。その時は、失格者の烙印を押されたような気がしていたが、小林秀雄や太宰治を読むことで、前に進むことができた。客観的に見た時、私の言葉は、「負け犬の遠吠え」のように聞こえるかもしれないが、私は、これで本当によかったと思って...

    2022年11月27日

  • 私と評論

    苦悩

    太宰論においてほとんど共通認識となっているのは、太宰作品が、自他の認識の相違に焦点を当てているということだ。彼の作品や登場人物に多くの人が感情移入できるのは、「道化」という言葉に象徴されるように、仮面をかぶって日常生活を送っている側面が、誰にでもあるからなのだろう。しかし、太宰治...

    2022年11月26日

  • 私と評論

    前田英樹『批評の魂』

    今回は、前田英樹『批評の魂』(新潮社、2018年)を取り上げます。前田が取り上げている批評家は、主に小林秀雄ですが、河上徹太郎も出てきます。そして、同書の軸は、小林が、自然主義文学者の正宗白鳥との論争から、その白鳥の思想に理解を示すに至る過程です。前田は、丹念に小林の著作の核心を...

    2022年11月13日

  • 私と評論

    浜崎洋介『反戦後論』

    今回は、浜崎洋介『反戦後論』(文藝春秋、2017年)を取り上げます。浜崎は、小林秀雄に関する書籍も出しており、「文芸批評家」として、参考にすべき点が多くありました。今回は、自分の頭を整理するという狙いにくわえて、彼の「評論」の方法についても学んでみたいと思います。今回取り上げる書...

    2022年10月30日

  • 太宰治

    「作家」としての課題

    福田恆存や三島由紀夫に関する書籍などを読んでいて、「生活」と「芸術」が文学者に関する中心的テーマとして取り上げられていた。今回は、このテーマが、主観と客観(自分と他者)の問題とどのように関わっているのかについて考える。精神病院に入れられた経験から、太宰治に関心を持ったのだが、彼は...

    2022年10月23日

  • 日本的なるもの

    前田英樹『定本 小林秀雄』

    今回は、前田英樹『定本 小林秀雄』(河出書房新書、2015年)を取り上げます。近代批評の礎を築いた小林秀雄の思想について、前田は、小林の著作を丁寧に読み解きながら、解説しています。前田の視角を詳しく解説することはできませんが、私なりの視点から、前田の著作をまとめておきたいと思いま...

    2022年10月20日

  • 太宰治

    太宰治『斜陽』

    今回は、太宰治の「斜陽」を、ドナルド・キーンの解説を参考にしながら読み解き、その意義について考えてみたいと思います。なお、『ドナルド・キーン著作集』は、第1巻と4巻を参照しました。『斜陽』は1947年に出版されましたが、翌年6月に太宰は自殺しています。同作品の主人公は、「没落貴族...

    2022年10月17日

  • 私と評論

    「客観性」とは何か

    別に大学教授の文句を書きたいわけではない。ただ、自分が研究から評論に向かうにあたって、かつて自分が目指していたものとは何だったのか、また自分には肌が合わなかった理由は何かについて、改めて整理しておくことが必要だと感じた。個人的には、大学教育の魅力は、学位ではないと思う。というのも...

    2022年10月10日

  • 私と評論

    「科学」批判のきっかけ

    今回は、「科学」批判をすることになった、私の経験について書いてみたいと思います。「科学」を信奉されておられる方には、私個人の問題として片付けていただいて、まったく構いません。簡潔にまとめると、それは、すべて学者との出会いでした。博士課程まで進んだので、学者と直接対話する機会を得る...

    2022年10月9日

  • 太宰治

    松本和也『太宰治「人間失格」を読み直す』

    今回は、松本和也『太宰治「人間失格」を読み直す』(水声社、2009年)を取り上げます。以下では、同書の全体の構図を把握した上で、その論理を抽出し、それを批判的に検討します。まず、松本が批判の対象としているのが、“太宰治神話”です。簡潔に言えば、太宰治の「死...

    2022年10月9日

  • 太宰治

    作家と作品

    私は、軽い男のくせに、へんに堅苦しいところがあって、最初の著書は、ちまたに出回っているような内容が薄い本にはしたくないと考えていた。ただ、実際にその通りの形にしてみたが、評判はかんばしくない。引用文が多いからである。私は、自称「文芸評論家」として表現していきたいと思っているのだが...

    2022年10月4日

  • 私と評論

    生活経験から学問を立ち起こす

    タイトルの言葉は、拙著でも引用していますが、小林秀雄が語ったものです。今回書きたいことは、生活経験を見つめることから学ぶという姿勢が大事なのだということです。それが、研究から評論に進む際に、私が強く感じたことです。前回述べたように、学者は、一般の人よりも、たくさんの本を読んで意見...

    2022年10月3日

  • 私と評論

    「自己弁護」が目的ではない

    別に大家でもないのに、大仰なタイトルをつけたものですが、太宰治の随筆を読んで、私自身が表現方法について見つめる機会を得ることができました。今回の目的は、太宰論を展開することではなく、私自身の経験を踏まえて、彼がどのような思いで随筆を書いたのだろうかと、思いを巡らせることです。まず...

    2022年10月2日